素数全書 練習問題1.13

Legendreによる素数定理π(x)=o(x)の証明を再現する問題らしい。

まず、\phi(x,\quad \sqrt{x}) であるが、\phi(x,\quad y)の定義から、『1≦n≦x で nの素因子がすべて\sqrt{x}より大きいような n』の個数である。ところが、nが\sqrt{x}より大きな素数のどれかに一致しない場合、nのその他の素因子は\sqrt{x}より小さくなるため、条件を満たさなくなる。(ただし、1の素因子というものが存在しないため、n=1だけは例外として常に条件を満たしている。)
このことから、 \phi(x,\quad \sqrt{x})=\pi(x)-\pi(\sqrt{x})+1 が成立する。(最後の+1は、1という例外のためのカウントである。)


また、\phi(x,\quad \sqrt{x})にカウントされる条件を、
#{1≦n≦x で nがすべての\sqrt{x}以下の素数の倍数でないもの}= x - #{1≦n≦x で nが\sqrt{x}以下の素数の倍数であるもの}
と言い換えると、
\phi(x,\quad \sqrt{x})=\sum_{d\mid Q}\mu(d)\lfloor \frac{x}{d} \rfloor
が成立している。(d=1のとき、\mu(1) \lfloor \frac{x}{1} \rfloor=xになることに注意。)□


\phi(x,\quad y)を『1≦n≦x で nがy以下の素数の倍数でないようなもの』の個数と言い換えると、練習問題 1.10での経験から、\{q_i\}_{i=1}^ny以下のすべての素数の集合とすると、(n=π(y)である。)

[tex:\phi(x,\quad y)=x-\sum_{q_i}^n \lfloor\frac{N}{q_i}\rfloor+\sum_{i