素数全書 練習問題1.8
問題1.7によく似ているが、与えられた数の素因子のどれか一つはmod 4で1になるという部分がうまくいかないため、全く違う解法となった。
qをの素因子の一つとすると、
一方、フェルマーの小定理より
であるが、もし (q-1)/2 が奇数であると
となり、矛盾してしまう。よって(q-1)/2 は偶数であり、q-1は4の倍数となり
q≡1 (mod 4) が結論される。後は問題1.7と同じ論法である。面白いことに素因子はすべてmod 4で1という強い結果が証明されたことになる。
後半のmod 3の場合であるが、の形でいけるかと思っていたら
なのでだめなのである。ちょっとズルイが円分多項式に頼ると
の形がよい。 が成立しているのがミソである。この恒等式を として、nの任意の素因子qに対して mod q の世界に持ち込むと、
つまり
もし、q≡2 (mod 3)ならば、q-2=3m として、 すわなち であり、。これと は q=3 でない限り矛盾してしまう。よって、q≡1 (mod 3)でなければならない。
この証明の最後のごちゃっとした部分をすっきりさせるには、フェルマーの小定理 から、mod q の世界では、xの位数 nは q-1の約数であることを利用する。(これの証明は、q-1=mn+r (m,r:整数, 0≠r<n)と表すと、となるが、位数の定義と r<n より矛盾なので、r=0となる。)
これを使えば、前半では、の位数は4 から 4|(q-1)、後半ではxの位数が3から、3|(q-1) がただちに結論される。