2022-04-01から1ヶ月間の記事一覧

[数論]高木貞治『初等整数論講義 第二版』第五章ノート その9 次の§49は二次不定方程式のイデアル論による再論。本テキストの本編の残りはこの話題関連である。キーになるのは対応: である。次の段階で右辺をの整数環の中でイデアル間の関係に翻訳する。こ…

[数論]高木貞治『初等整数論講義 第二版』第五章ノート その8 次の§48のPell方程式は特に目立ったギャップはないと思う。が、p.320の[問題1]は前回のでの計算実験での偶然をまた一つ必然に変えてくれている。[問題1]のステートメントは再録しないが、要点…

[数論]高木貞治『初等整数論講義 第二版』第五章ノート その7 §47の[問題]を続けよう。もうこのセクションの山場は過ぎてしまったようだ。[問題4] とすれば、においても、とするとき、もも単項イデアルである。[解] 問題3と同様とあるが、なので問題1か…

[数論]高木貞治『初等整数論講義 第二版』第五章ノート その6 §47の[問題3]の[例]に進む。先に中身は活用してしまったので、残っているのは基本単数がであることぐらいである。これをテキストpp.312~314の方法に従って、算出してみよう。 まず、Dirichlet…

[数論]高木貞治『初等整数論講義 第二版』第五章ノート その5(しょぼっと解決編) §47の[問題3]の[注意]のハマりを解決しよう。[問題3] とすれば、二次体において、とするとき、もも単項イデアルである。[注意ハマりポイント] ののどちらか片方のみに必ず有…

[数論]高木貞治『初等整数論講義 第二版』第五章ノート その4(ハマり編) §47の問題を続ける。[問題3]の注意でめちゃくちゃハマった。[問題3] とすれば、二次体において、とするとき、もも単項イデアルである。[解] の基本単数をとすると、[問題1]より . と…

[数論]高木貞治『初等整数論講義 第二版』第五章ノート その3 §47で二次体の単数の話題が終わり、直後に怒涛のごとく問題が並んでいる(pp.314-316)。今までは問題の解法の説明もそれなりに親切だったが、5章ではなぜか突き放されることが多いような気がす…

[数論]高木貞治『初等整数論講義 第二版』第五章ノート その2 今回はp.311の[問題3]の下にある[注意]から。これもうっかり油断していると放たれる高木先生のジャブである。 二次体の整数環とそのイデアルについて、一次合同式 は なら、のとき解が存在し、…

[数論]高木貞治『初等整数論講義 第二版』第五章ノートその1 先に本書の記述のスタイルが気に入らないというコメントをしたが、よく考えるとブルバキの『数学原論』が刊行され始めたのが1939年なのであって、『初等整数論講義』の初版は1931年なのでこれはB…