2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

Awodey『圏論』第9章(9.5節)

前半はあまりコメントするところがないが、p.250の最後の"栞"はなんのこっちゃであって、ここでいう"bookkeeping"とは、全称化の規則で(次の図式はただの推論の図)、"ただしは自由変数記号でには現れないものとする。"というこの”ただし”以下の付帯条件を…

Awodey『圏論』第9章(9.4節)

念のため、前順序と半順序の違いは、半順序では、反対称律( かつ ならば )が成立している点である。ということは、前順序では順序関係がループになっているケースも許しているわけである。ちなみにテキストの骨格的(skeletal)とは、圏論用語では対象間の…

Awodey『圏論』第9章(9.3節)

例9.8の『左随伴は何であろうか?』に答えてみる。 から、問題となる図式はとなるが、下はしか射が無いので、対応する上の射も一つしかない。つまり、がの始対象である。答えは、の始対象となる。その後の『この最後の例は次の一般的な事実の明白な事例であ…

Awodey『圏論』第9章(9.2節)

さて、命題9.4である。まず注意として、原文でも似たような書き方なので罪は同じだが、条件2から条件1を言う時に、条件2の中に直接のデータとしてはは与えられておらず、すぐ下のをの定義として、これが自然変換であることを示す必要がある。それゆえp.240終…

Awodey『圏論』第9章(9.1節)

ずいぶん放置していたが、リアルのお仕事が結構忙しかったのである。しかし、9章は『本書の見せ場』と著者自ら書いているところなので、こちらも書かずにはおられない。9.1節は随伴の導入という位置づけらしく、次節の定義9.6(p.242)で正式な定義がなされる…