[小ネタ] の逆関数を求める .ind { margin-left: 2em; line-height: 2.0; } 久々の投稿ではあるが,めっちゃ小ネタである.実は仕事のソフトを書いていてこの問題にぶつかった. の濃度がの濃度に等しいということの証明として,対応を具体的に と与えること…

[物理学] Dirac『一般相対性理論』を読んでいた .ind { margin-left: 2em; line-height: 2.0; } えーと,興味が抽象的な数学から具体的な数学に移る波の途中であらぬ方向に逸れて一般相対性理論に行ってしまった今日この頃です.これにはちょっと事情があっ…

[集合論] Real Numbers その4(Jech本4章 p.42) .ind { margin-left: 2em; line-height: 2.0; } 4章本編の最後に取り上げるのは,Baire空間である.Baire空間 は,記述集合論の道具の一つで無理数全体の集合と位相同型(ここで無理数全体にはからの相対位…

[集合論] Real Numbers その3(Jech本4章 p.40) .ind { margin-left: 2em; line-height: 2.0; } 今回のネタは定理4.6 (Cantor-Bendixson)『実数の中の任意の非加算な閉集合は,完全集合と高々可算な集合の和集合となる().]』である.系として,定理4.5と…

[集合論] Real Numbers その2(Jech本4章 p.40) .ind { margin-left: 2em; line-height: 2.0; } 今回のネタは定理4.5『実数の中の任意の完全集合の濃度は』である. 完全集合とは,孤立点を持たない閉集合のことで,孤立点をもたないとは『任意の点のどん…

[集合論] Real Numbers その1(Jech本4章 p.37) .ind { margin-left: 2em; line-height: 2.0; } さて,まずは定理4.1『実数の濃度は可算ではない』である.本書の証明は私は初めてみるきれいな形だったので感動した. よくある証明は『区間の実数を小数展…

[集合論] Jech本三章章末問題その2(Jech本p.34-35) .ind { margin-left: 2em; line-height: 2.0; } 後半戦はDedekind有限性に関してだが,あまり面白い問題はなかったのでまとめ風にしてみた.まず定義: 集合がDedekind有限 に対して,上へのone-to-one写…

[集合論] Jech本三章章末問題その1(Jech本p.34) .ind { margin-left: 2em; line-height: 2.0; } やってみて気になった問題を解説する.<問題3.5> 左辺でがAlephのたびにに戻るのに対して右辺のベキは単調増加だから評価ガバガバやんと思っていたのだが…

[集合論] Cofinality その2/2(Jech本p.31) .ind { margin-left: 2em; line-height: 2.0; } 次のLemma3.10には一応テキストに証明は付いているが,証明の概略のようなものなのでかなり苦労させられた.以下,テキストの解読結果である.<Lemma3.10> 無限…

[集合論] Cofinality その1/2(Jech本p.31) .ind { margin-left: 2em; line-height: 2.0; } お次はcofinality(共終数)である.定義は割と簡単ではあると思うが,そもそもなんでこんなものを定義するのかという動機は本章では何も書かれていない.ちょろっ…

[集合論] 気づいてしまったシリーズ - の彼方編 .ind { margin-left: 2em; line-height: 2.0; } Jech本を読み進めているが,次のCofinalityの節の証明でJech先生は手を抜きすぎでなかなかのギャップがある.まあ,イントロ的な章なのでこんな手抜き具合なの…

[集合論] Canonical Well-Ordering of (Jech本p.30) .ind { margin-left: 2em; line-height: 2.0; } 本節の最終目標はテキストp.31の(3.14) というシンプルな公式である.この証明のために,クラスの積 にwell-orderingを次のように定義する. おや? この…

[集合論] Alephs(Jech本p.29) .ind { margin-left: 2em; line-height: 2.0; } cardinalはもともとは集合の同値類として定義されているが,その代表元を順序数から選びたいという流れである.ただし選択公理を使った議論は5章を待てということらしい.まず…

[集合論] Cantor-Bernsteinの定理(Jech本p.28 Theorm 3.2) .ind { margin-left: 2em; line-height: 2.0; } Part I 第三章に突入である.冒頭にCardinalityの定義は,正則性公理(基礎の公理)あるいは選択公理を使うとの気になる話があった.選択公理から…

[集合論] Jech本二章章末問題から .ind { margin-left: 2em; line-height: 2.0; } <問題2.7>任意のnormal sequence (i.e. の対応で,増加かつ連続 )に対して,いくらでも大きな 固定点 (i.e. )が存在する.<解> ヒントにあるように適当なから始めて,と…

[集合論] 無限公理が無い時に... (Jech本 p.26) .ind { margin-left: 2em; line-height: 2.0; } 今回の話題は無限公理が無い時にどういうことが言えるかというケッタイなJech本の2章末問題がネタである.<問題2.4(無限公理が無いとき)>0でない最小の極限…

[集合論] Well-Founded Relations (Jech本 p.25) .ind { margin-left: 2em; line-height: 2.0; } 例によって、テキストで引っかかったところをネタにするノート記事である.<well-founded relation>集合 上の二項関係 が次の性質を持つとき、を well-found…

[集合論]気づいてしまったシリーズ - 順序数の減算編 .ind { margin-left: 2em; line-height: 2.0; } いままでさらっと理解したつもりが、ある時気づいてウッとなってしまったことを紹介するコーナーである.今回は、順序数の減算編.さて、順序数の和 は…

[集合論]InductionとRecursion .ind { margin-left: 2em; line-height: 2.0; } タイトルは和訳では、『帰納と再帰』となるだろうか。最近読んでいたどれかの本で(Jech本ではなかった気がする)数学書でもこの2つの用語がごっちゃになってることがあるとの…

[集合論]任意の無限集合は可算無限集合を含む(のか?) .ind { margin-left: 2em; line-height: 2.0; } タイトルの『任意の無限集合は可算無限集合を含む』は選択公理の話題には必ず出てくる有名な命題である。まずダメだとされる証明をあげよう。<証明 Ve…

[数論]高木貞治『初等整数論講義 第二版』第五章ノート その15 .ind { margin-left: 2em; line-height: 2.0; } 最近はめっきり更新間隔がでたらめだが、これは実は次に読もうと思う数学書を物色しているうちにそっちに読み始めてしまっているという単純な理…

[数論]高木貞治『初等整数論講義 第二版』第五章ノート その14 .ind { margin-left: 2em; line-height: 2.0; } §52の問題4から。今回も怒涛の文字密度である。[問題4] : . なのでなるような単項イデアル を探すことになる。例によっての素因数の分解状況の…

[数論]高木貞治『初等整数論講義 第二版』第五章ノート その13 .ind { margin-left: 2em; line-height: 2.0; } §52ではイデアル問題Cに取り組む。問題Cってそもそもなんだったかもう忘れそうになっているので復習。 の左辺の不定方程式を解くという問題で、…

[数論]高木貞治『初等整数論講義 第二版』第五章ノート その12 p.333 附記から。二次体の整数環のイデアル類数を具体例で計算してみようというコーナである。計算で出すというよりは、イデアル類の数を本当に数える戦略。 .ind { margin-left: 2em; line-hei…

[数論]高木貞治『初等整数論講義 第二版』第五章ノート その11 §51はイデアルの問題Bを解決する。 「モ変形」の再登場。定理5.27の証明中、少しギャップがあるので補足する。 からいきなり、がさらっと書かれている。これはとを入れ替えて としたときに、2…

[数論]高木貞治『初等整数論講義 第二版』第五章ノート その10 §50の問題を見ていこう。いやはや、GWで時間があると思うと逆に勉強しなくなりますな。[問題1] を原始イデアルの標準基底での表示、を素因数分解とすると、次は素イデアル分解となる。 . ここ…

[数論]高木貞治『初等整数論講義 第二版』第五章ノート その9 次の§49は二次不定方程式のイデアル論による再論。本テキストの本編の残りはこの話題関連である。キーになるのは対応: である。次の段階で右辺をの整数環の中でイデアル間の関係に翻訳する。こ…

[数論]高木貞治『初等整数論講義 第二版』第五章ノート その8 次の§48のPell方程式は特に目立ったギャップはないと思う。が、p.320の[問題1]は前回のでの計算実験での偶然をまた一つ必然に変えてくれている。[問題1]のステートメントは再録しないが、要点…

[数論]高木貞治『初等整数論講義 第二版』第五章ノート その7 §47の[問題]を続けよう。もうこのセクションの山場は過ぎてしまったようだ。[問題4] とすれば、においても、とするとき、もも単項イデアルである。[解] 問題3と同様とあるが、なので問題1か…

[数論]高木貞治『初等整数論講義 第二版』第五章ノート その6 §47の[問題3]の[例]に進む。先に中身は活用してしまったので、残っているのは基本単数がであることぐらいである。これをテキストpp.312~314の方法に従って、算出してみよう。 まず、Dirichlet…