2009-01-01から1年間の記事一覧

鈴木『群論』の問題を解いてみる−第1章 §3

§3−1. これは,における,整数での剰余による分類である. □ §3−2. ⇔⇔であるから,となる. □ §3−3. (a) による共役は,で上への同型写像となっている.が有限部分群ならば,それらの指数は有限で等しい.つまり . これより(3.8(iv))および問2より…

鈴木『群論』の問題を解いてみる−第1章 §2

§2−1. P.8のi),ii)の条件を満たすことを示す. が空でないので,元が存在するが,問題の条件よりが分かる. 任意の元に対して,問題の条件よりなので,ii)が成立している.任意の2元に対して,はすでにわかっているから,より, i) が成立する.逆にi), ii)…

鈴木『群論』の問題を解いてみる−第1章 §1

さっそくやってみた.むむっこれは...すごい丁寧なヒントがついている.この調子でヒントを出してくれていたら,サクサクいけそうだ.§1−1. 右単位元と右逆元の存在のみで群の定義と等価であるという問題であるが,もうヒントそのままである. 任意の…

鈴木『群論』の問題を解いてみる−はじめに

しばらく前に岩波から鈴木通夫『群論 上,下』が復刊されている.群論 上作者: 鈴木通夫出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1977/05/27メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 29回この商品を含むブログ (6件) を見る群論 下作者: 鈴木通夫出版社/メーカー: 岩波…

特別企画 小林・益川論文を読む! −その6 最終回

さて,と結合している項は, である.などをなどのダッシュつきで書き直したいわけであるが,混合の行列を成分表示で書くと, であるから, となり,U(2)の元 を改めてと定義すると論文中に出てくる行列Kによる変換で,がの順に変わるので,上のの結合をつく…

特別企画 小林・益川論文を読む! −その5

あまり悩んでいてもしょうがないので,手を動かしてみることにする.ゲージ場と物資場の相互作用項は,もとは物資場の運動項から生じるのであるから,最初に物資場の運動項の形を決めておく必要がある.論文には明示的には書かれてはいないが,ゲージ不変の…

特別企画 小林・益川論文を読む! −その4

前回からかなり間があいてしまったが,私自身興味が他のところへ移ってしまったということもある.とはいえここで放置するのも悔しいので,論文最終ページで示唆されているように t,bを含む6重項モデルに拡張されうる(A,C)のケースの計算をフォローしてお茶…