素数全書 練習問題1.12

厳密に定式化せよ(cast in rigorous language)ということであるが、ある整数xが与えられた時点でそれが素数かどうかは決まっているので、『xが素数である確率』といったもような表現はそもそも変である。
そこで、xが素数かどうかということを知るための情報が、唯一、PNT(素数定理)でのみ与えられていると考える。しかし、PNTだけから特定のxが素数かどうかを判定することはできなので、次のように考える。


1〜NMまでの整数を順にN個ずつに区切って、M個のかたまりに分ける。Nが大きいとPNTはそのk番目の区間の中に存在する素数の数がD(k)\equiv \frac{kN}{ln(kN)}-\frac{(k-1)N}{ln((k-1)N)}であるという情報を与える。もし、xがこの区間に入っていることがわかれば、xが素数である確率は、D(k)/N と考えられる。この式の中にMが入っていないので、任意のMについて『xが素数である確率』は D(k)/Nで与えられている。(蛇足ながらMを有限にしておくのは、特定のxが選ばれる確率が0になるのが困るからである。しかし、xが選ばれた後の条件付き確率 p(素数|x)=D(k)/NがMに依存していないのでM→∞と仮想的に考えられる。)


さらに、xはNより十分大きいと仮定する。(k-1)N