ちょこっと代数幾何

仕事がやっと一段落.例年四月の頭に仕事で大きなイベントがあり,期末前あたりから出張が多くなる.
移動時間や宿での暇なときに勉強してやろうと,張り切って数学書を詰めこんでいくのだが,結局のところ新幹線では寝こけてたり,宿ではボーっとテレビを見てたりとかなかなか思い通りには行かないものである.
さて,今回の出張では代数幾何の入門書を数冊持ち込んでみた.代数幾何は勉強してやろうと何度もトライしては挫折している鬼門である.ただ,こちらの数学リングでも代数幾何を勉強されている方々がおられるのでいろいろ教えていただこうという下心もあり,再チャレンジしてみた.
今読んでいるのは,上野健爾『代数幾何入門』:

代数幾何入門

代数幾何入門

である.入門書として評価が高いとのことで選んだ.すらすらとお話を読むのではなく手を動かさざる得ないように書かれているという印象でいい感じである.ただ、いま差し掛かっている後半からぐっと歯ごたえがでてきたような気がする.
もう一冊は,定番中の定番 Atiyah&MacDonald『Introduction to Commutative Algebra』:
Introduction To Commutative Algebra (Addison-Wesley Series in Mathematics)

Introduction To Commutative Algebra (Addison-Wesley Series in Mathematics)

である.この本は薄いながらもHartshorneへの導入として優れたものとされている.この本の特徴は大きな部分を占める演習問題にあり、これは絶対に解かねばならないことになっている(そこを飛ばすとこの本の意味が無い).というわけで現在はせこせこと第1章の問題を解いているわけである.日本語訳も出ているが,そこには(幸か不幸か)解答は載っていない.
しかし,幸運なことにWeb上には個人が作成した解答集が存在する.
ただ、そのサイトの主旨からしてあくまで私的なものという印象なので直リンクは避けるが、『可換環入門』でググればすぐに見つけることができる.どーしてもわからないときのための保険と考えるか、禁断の実と考えるか...


代数幾何を勉強する目標としては,今はまだちょっと明確ではないが,やはり計算機とのかかわりの深い楕円曲線論あたりで何か面白い計算ができないかと思っている.