p-covering group of G と immediate descendant
p-covering group のある性質をみたす部分群とのimmediate descendantとに対応があるというのが を導入したミソである.
Theorem
有限p-群をd-generator かつ exponent-p class c とする.
このとき任意ののimmediate descendant に対して,の真部分群が存在して,
かつ
逆に を満たすの真部分群に対して,はのimmediate descendantとなる.
の(真)部分群は,がの中心に含まれているため,自動的にの正規部分群となっている点に注意.
まず前半部分.のimmediate descendant とは,d-generator p-群で かつ となっているものであった.
であるから はelementary p-群でかつ の中心に含まれる. これはの普遍性に出てくる条件を満たすため,全射準同型が存在して,次の可換図式が得られる.とした.
この図式をたどれば,がわかる(five lemma の類似である).また,より .の性質より であったから,.一方,の性質より,であるから,と合わせれば,を得る(の任意の元に対し,で送ったときに一致するようなの元が存在し,その差はの元となる).が真部分群でなければならないのは,であるとより,がimmediate descendantであることに矛盾するからである.
後半は,として,次の図式を考える.
ここに と定義するが,これがwell-defined なのはであるからである.また,この等式から が出る(もしならば,となり,が真部分群であることに矛盾する).またであるから,残るはが同型であることを示せばよい.まず,全射であることは,が全射であることから直ちに従う.次に単射であることを示す.としたとき,が全射なので,が存在して,となるが,より,となるが,これはが,との積でかけることを意味するが,であったから結局のところとなり,.以上で証明はおしまいである.
この定理の意味するところは,immediate descendantを探したければ,の部分群を探せということである.はelementary p-群であるから構造はよくわかっているのである.