Awodey『圏論』第9章(9.4節)
念のため、前順序と半順序の違いは、半順序では、反対称律( かつ ならば )が成立している点である。ということは、前順序では順序関係がループになっているケースも許しているわけである。ちなみにテキストの骨格的(skeletal)とは、圏論用語では対象間の同型が恒等射しか存在しないことである。このようなループが存在すると、そのループの間にある対象はすべて同型となるため、骨格的ではなくなる。ゆえに骨格的な前順序は半順序となる。
p.247の中ごろの説明に補足すると、もし、かつなる があったとすると、と双方向条件より、が成立するのでは極小...って前順序に極小って変じゃないですか?(原著者も同罪か?)
ちなみに"ガロア連結"という数学用語はないと思う。正しくは"ガロア接続"である。なぜ、こんなところにガロアが出てくるかというと、体の自己同型群の部分群の成す半順序の圏と体の部分体(中間体)の成す半順序(のop)の圏の間の関手として、その部分群に対する固定部分体(固定体)を対応させるもの、および逆方向には部分体に対してそれを固定するような部分群を対応させるものを考えるとガロア接続の大本の例となっているのである。
例9.12の宿題を解いてみる。問題となる図式は、、として、
である。
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一般にfが開写像でなければ、im(f)(U)は開集合にならない。一方、の方も実はだめである。反例としては、適当な位相空間Xと集合としては同じでそれに離散位相を入れたものX'とfとして恒等写像を考える。f:X'→Xは当然連続であるが、Xで開集合でない部分集合Aを選ぶと(X'ではAは開集合) であるが、AはXの開集合にならないように選んであるので、反例となっている。一般的にf:A→Bで、Aの位相がfによる誘導位相より強いとだめっぽい気がする。