Awodey『圏論』第6章その2 (6.3から6.5まで)
怒涛のように論理学関連からの例が出てくるが、6.4の随意(entailments) について一言. これはモデル理論の概念で『ある解釈Mがpを真にするならば、qも真にする』という意味である. はどんな解釈でも真にならない命題、はどんな解釈でも真になる命題の意味である. そう理解すると 条件2,3の意味がはっきりすると思う. ただし、6.4ではそういった背景は一旦忘れて公理的な処理を行っている.
p.150の2つの命題を証明する.
・
<証明>
(を先に示す)
射影より かつ.
4.でを、をと置くと、. □ (さらにの結合の順序交換や結合順を変えてもお互いに随意であることがわかる)
()
(順序交換、射影、評価).
同様に.
4.より、.
6.より、. □
()
(評価).
4.より、かつ.
6.より、かつ.
4.より、. □
・ならば
<証明>
(評価と仮定).
6.より、. □
******
p.145 下から5行目(てつさん指摘分)
誤『半順序集合』
正『半順序集合の圏』
p.146 定義6.8の3の中(てつさん指摘分)
誤『』
正『』
うーむ、しかしこのあたり原文も変である。条件式は
としてもらいたい。
p.146 下から10行目
誤『定まった条件』
正『上に述べた条件』
原文『The stated condition』
p.146 下から9行目
誤『』
正『』
p.148 10行目
誤『提案された否定』
正『否定』
原文『a proposed negation』
確かに直訳するとそうなるけど..."提案された"が日本語だと意味をなしていないのでここは削りましょう。
ここらあたりの議論ですこしだけ補足を.ハイティング代数での冪とブール代数での冪が一致するかどうか.つまり、を確認してみます. ブール代数だと より
∴
∴
なので、はOKです. また、
なので、逆向きもOKとなります.
その後の『より 』も補足.
冪の評価射より. また冪の普遍性で、, と置くと、.
老婆心ながら『位相空間Xのすべての開集合の族は、和、積、補集合の演算の最後にその内包を取るという演算を行うことで(完備)ハイティング代数になる』という事実を知っていないとそのあとの反例の意味が謎だと思います.