生成言語学をこっそり中断

夏休みに続きをやろうかといろいろ調べてはいたんですが、生成文法に対する興味が急激に減退してしまいました。おそらく生成文法が目指しているところは正しい(特に言語獲得に関するプラトン問題に対して)と思われるのですが、どうも方法論としてはアレレ?感がふっきれませんでした。もちろん時間をかけてきっちり勉強したわけでもないですが、数学用語で言うところのabstract nonsenseの世界へ導かれていくような...おそらく『生成文法によってスパッと解決できる言語学上の問題』が何なのかいまひとつよく見えない(勉強不足は認めます)点にあるように思います。

ここで生成文法批判を行うつもりは毛頭ないのですが、一番惜しいと思ったのは日本語では生成文法はうまく機能しない? 少なくとも日本語を鋭く分析した文献があまりないように感じられるところでした。

といいつつ調べてみると、


三原健一『日本語の統語構造』松柏社


というのがちょっとよさそうです。この文献ではGB理論までだそうですが、これの続編ではミニマリストまで論じているらしいです。しかしどちらも品切れ...大丈夫なのか?!まずはこれを読んで出直してきます。

この特別企画の最初に『日本の生成文法研究は大丈夫なのか?!』といったような不遜な発言をしましたが、調べていくうちに『世界の生成文法研究は大丈夫なのか?!』という感触に変わってきてしまいました。学問の世界にも流行り廃れはあって当然なのですが...チョムスキーが偉大すぎたのでしょうか。


(以上はあくまで私の感想です。専門家の方、すいません...)