生成言語学をこっそり学ぶ(その6)
今回はちょっと横道。もうゴールデンウイーク終わっちゃいましたね。
Aspects of the Theory of Syntaxを読んでいないのもどうかと思って、さらにこっそりと読んではいるのですが...
Aspects of the Theory of Syntax (Massachusetts Institute of Technology. Research Laboratory o)
- 作者: Noam Chomsky
- 出版社/メーカー: The MIT Press
- 発売日: 1969/03/15
- メディア: ペーパーバック
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これまだ第一章までしか読んでませんが...英語難しい。というか何がいいたいかわからんところがいっぱいでした。『生成文法の企て』や『生成文法とは何か』という現在の視点での生成文法の知識をベースにだいたいこんなことを言ってるなと推測しつつ読んだというのが本音です。もちろん私の語学力不足を棚に上げるつもりはないですが、数学の専門書とは議論のクリアさがずいぶんちがいます。それでもこの時点ですでに現在のパラメータやミニマリストにつながる発想が表明されているのには驚かされます。
第一章の最後の節は弱生成力と強生成力の話題でした。最後に面白いことを言ってるので私訳を(例によって意訳です)。
『まあ、あれだ。文法の形式理論ってのはすごく見込みのある分野だとおもうね。言語学の問題に対してもそれなりの見通しを与えてくれたし、まあ、きっと将来はもっと深いことがわかるんじゃないかな。まあ、でも今のところは数学的に解きやすいところを解いているだけなんで、それを言語学上のすごい問題を解決したと誤解しちゃだめだね。』
50年経った現時点ではチョムスキー氏は形式化についてはかなり冷めている感じですが、言語学における数学理論が『数学的に解きやすいところを解いて』いた時点からあまり進んでいないのは確かに残念。