練習問題1.4

π(x)を与える一見すごそうな公式に見えるのだが、実は前問と同じく計算としては実用性のないものである。

nをkで割って n=k・m+r , 0≦r<k と表しておく。\lfloor\frac{n}{k}\rfloor=mであるから、\lfloor\frac{n}{k}\rfloor \frac{k}{n}=\frac{mk}{n}=\frac{n-r}{n} よって

\lfloor \lfloor\frac{n}{k}\rfloor \frac{k}{n}\rfloor=0 ⇔ r≠0 ⇔ kはnを割り切らない

\lfloor\lfloor\frac{n}{k}\rfloor \frac{k}{n}\rfloor=1 ⇔ r=0 ⇔ kはnを割り切る

が成立する。よって \sum_{k=2}^n \lfloor\lfloor\frac{n}{k}\rfloor \frac{k}{n}\rfloor= nの2以上の約数の数

であるから、和の部分はnが素数の時 1、nが素数でないときは ≧2 となるため、その逆数の整数部分をとると、nが素数の時 1、nが素数でないときは 0 となる。

結局、問題のnに関する和の部分はx以下の素数の数を数えており、すなわちπ(x)を与える。